製品の原材料となるハーブや花を育てる生産者はロクシタンにとって大切な存在。 彼らの努力、献身、そして技術なくして高品質な製品をつくり出すことはできません。 ロクシタンは現在、情熱ある生産者と複数年契約を結び、一年を通して彼らに寄り添い共に仕事をしています。 [コラム]Nature & People では、ロクシタンにとって大切な「自然」と「人々」についてお届けします。 1回目は、コルシカ島でイモーテルを栽培するステファン・フランシジさんです。
ロクシタンとの出会いは2003年。彼らは化粧品開発のためにイモーテル栽培をする農家を探していましたが、コルシカ島には経験者がひとりもいなかったので、はじめは躊躇する人がほとんどでした。そんな中、私はアロマ栽培にとても興味があったのと、ロクシタンチームの熱心な提案に心を動かされ、コルシカ島初のイモーテル栽培者となりました。 2004年に最初の収穫を迎えたのですが、その頃は機械がなかったので、ひとつひとつ手摘みで収穫しました。ほんの0.5ヘクタールから始めたイモーテル畑ですが、翌年にはなんと10ヘクタールに。生産量の急激な増加に伴い、中古の機械を購入。さらに収穫をしたイモーテルを蒸留所に持ち込み、蒸留してもらうことも始めました。そして2011年、私は念願だった自分の蒸留所をもつことができ、初めて自分の手でエッセンシャルオイルをつくることができました。現在では栽培から蒸留まですべての工程を行っていますが、思えばイモーテル栽培には素人だった私を、技術的にも財政的にも支えてくれたのはロクシタンでした。今の私があるのは、前進する勇気とロクシタンのパートナーシップがあったからこそだと思っています。
私は野生のイモーテル、そしてコルシカ島の低木地の自然環境にできるだけ似せた条件でイモーテルを栽培しています。遺伝子組み換えや集約農家で使われる選別法は導入せず、またクローン種でなく、野生の種だけを使っています。元来の生体系を守るため、肥料や農薬はいっさい使わず、水やりも行いません。私たちのオイルが特別で優れているのは、イモーテルをコルシカ島の土壌で、昔ながらの方法で育てているからです。植物は適切な場所で栽培されることによって最高の結果をもたらします。収穫量は少なめですが、品質は非常に高いものと自負しています。 昔ながらの製法を大切にする一方で、新しいチャレンジも行っています。たとえば、イモーテル蒸留後の粒(植物蒸留後に残ったもの)を分析し、新しい分子を抽出する研究などです。ロクシタンと私はこれからも一緒に研究開発を進めていきます。 イモーテルの栽培は未知の世界ではありましたが、私はコルシカ島初のイモーテル栽培者となりました。農業で生計を立てるには長い時間がかかり時には厳しいこともありますが、それでも私がイモーテルを栽培するのは、この花への情熱があるからです。