個性的で詩情あふれるヴァレリー・チカレリの世界

舞台デザイナー、造形美術家、デザイナーと多彩な顔を持つヴァレリー・チカレリさん。生まれ故郷のマルセイユを離れてパリで成功をおさめ、再び故郷に戻ってきました。既成概念を打ち破る反逆児的なアーティストであるチカレリさんが創り出すのは、素材感とボリューム感あふれる独創的なジュエリー。
Texts: Mélissa Darré
プロヴァンスとのつながりをお話いただけますか?

私はマルセイユ出身で、フランスでも最も歴史のある「ル・パニエ」地区で生まれました。現在はル・コルビジェが設計したシテ・ラディウーズに住居とアトリエを構えています。私は漁師の家に生まれて、子供時代はずっと山や海で過ごしていました。身を立てるために「外海へ船出」をしましたが、15年以上パリにいたらマルセイユに戻らなくては、と思うようになりました。太陽と生命力にあふれた大自然のもっとそばで暮らしたくなったのです。

私はプロヴァンスが大好きです。カマルグやリュベロン、花が咲き乱れる高原や雪の積もる山など、いろいろな表情があり、風景にコントラストがあるんです。プロヴァンスと言うと、どの季節も素晴らしい空やどこまでも深い青をした海を思い浮かべます。

プロヴァンスは創作にどのような影響を与えていますか?

プロヴァンスは色彩にあふれていて、さまざまなシンボルにも恵まれた地方です。特にプロヴァンスの生き物や植物から創作のヒントを得ることが多いですね。香りや色や素材とか・・・。あとは、プロヴァンスの歴史にも影響を受けています。歴史はアーティストとしての私の栄養分なのです。

マルセイユは2600年もの歴史がある街です。その歴史は反逆精神に満ちていて、古の時代から規範となるような女性たちが大勢います。「反逆精神に満ちたマルセイユの女性」辞典まであるのですよ。私がデザインした衣服は時代を超えた飾り付けがなされているものが多く、洗練された魅力に満ちあふれた女戦闘士をイメージしています。

ゲリ(アメンボの一種)をブランドのイメージに選んだ理由を教えてください。

リュベロンで開催されたランド・アート1というイベントに参加した時のことです。芸術家のアンディー・ゴールズワージーの作品に影響されて企画されたアートイベントで、私は女性たちの身体をペイントして植物を表現する作品を作っていました。その作業中、アメンボ=ゲリス2が気持ちよそうに水を滑るようにして私の前に現れたのです。

そこから生まれたのが饒舌なジュエリー「ゲリス」シリーズです。完ぺきなダンスを踊るように第2の皮膚として身体に沿ってくれるジュエリーです。最も美しい黄金比(1:1.618)を計算し、最大限に官能的で享楽的なフォームを追求しました。更にチェーンの長さに変化を付ければ組み合わせは無限です。

作品を通じて表現したいのはどのようなことでしょうか。

私は天の邪鬼で、素材を分析した上で転用したり、変形させてしまいます。その時々の自分のインスピレーションで素材のバランスを崩したりコントラストで大胆に遊ぶのが大好きなのです。取り決めをひっくり返し、固定観念を崩し、いろいろな文化を対立させ、オーバーなプロポーションにし、異質な素材を組み合わせ・・・そして永遠不変な作品を創り出すのです

www.ciccarellijewels.com

1自然の中で自然をテーマに作品作りをする現代アート。

2ゲリは蜘蛛に似た形をした小さな虫で、水の上を移動することができる。ヴァレリー・チカレリはゲリを象ったシリーズを制作しており、“ゲリス”と命名している。

個性的で詩情あふれるヴァレリー・チカレリの世界
個性的で詩情あふれるヴァレリー・チカレリの世界
素材感とボリューム感あふれる独創的なジュエリー。
© Malika Mokadem
ブランドのシンボルはアメンボ
ブランドのシンボルはアメンボ

アメンボをイメージした「ゲリス」はまるで第2の皮膚のように身体に沿う饒舌なジュエリー

© Giovanna Gorassini
ヴァレリー・チカレリは素材の反逆児
ヴァレリー・チカレリは素材の反逆児

舞台デザイナー、造形美術家、デザイナーと多彩な顔を持つチカレリは既成概念を打ち破る反逆児的なアーティスト

© Valérie Ciccarelli

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