ペタンクの楽しみ方

ペタンクとは、プロヴァンスの方言で「両足を地面につけたゲーム」を意味する「ペドタンカ」が語源の球技。ペタンクは伝統に深く根ざす、単なる競技以上の意味合いを持つ存在です。南仏では、1年を通じてペタンクに興じる人々の歌う様なイントネーションのおしゃべりが聞こえてきます。ペタンクで遊ぶことは、プロヴァンスの暮らしには欠かすことのできない古くから続く習わしなのです。
Texts: Mélissa Darré

プロヴァンスの伝統、ペタンク

ペタンクは通俗的な遊び、という固定概念が長らくありましたが、今や誰もが認めるスポーツとなりました。古代から楽しまれてきたペタンクは、何世紀もの間にゲームの進め方やルール、用具に変遷がありました。現在のペタンクの原型となったのは1907年にラ・シオタで始められた競技。しかし、その誕生は偶然の産物と言われています。

古くより遊ばれてきた球技は、片足で立ち、3歩の助走をつけて投球を行うものでした。それがペドタンカに取って代わられた背景には、リウマチに罹ったジュール・ユーグにまつわる奇跡のようなストーリーがあります。みなが愛してやまない娯楽をリウマチを患っていても楽しめるように、助走をなくして「両足は地面につけたままにし」、より狭いスペースで楽しめるものに友人らがルールを変更したのです。これがペドタンカ、すなわち現在のペタンクの誕生です。

プロヴァンスの伝統、ペタンク
© GettyImages - Mel Curtis

和気あいあいと楽しめるスポーツ

以来、「目標物に向かって投げる?それとも、敵のボールを弾き飛ばす?」と繰り返し声を掛け合うペタンクの愛好者たちがどんどん増えていきました。ボッチャやクラウングリーンボールズのように、石や陶土、あるいは木製の球を使って技術を競い合うゲームは数ありますが、その中でも一番の人気を誇るのがペタンク。誰でも楽しめるのが人気の理由で、世界中の人々に親しまれています。

思想家のラブレーも愛好者で、「幼い子どもからお年寄りまで、何歳であっても楽しめる」とペタンクについて述べています。事実、最大規模のペタンク競技会「モンディアル・ラ・マルセイエーズ」の会長、ミッシェル・モンタナ氏によれば、50万人のフランス人がライセンスを持ち、世界各地で常時プレーを楽しむペタンク人口は2000万人にのぼるとのこと。

和気あいあいと楽しめるスポーツ
© Fotolia - JMDZ

日常生活に深く入り込んだ競技

ペタンクとは言えば、夏に楽しむもの。その紋切り型のイメージは今や崩れつつあります。シャネルのような、ペタンクとおよそ関連がなさそうなラグジュアリーブランドまでをも引きつけるゴージャスな魅力を放っています。老若男女を問わず誰もが、日暮れどき、アペリティフ片手に戦略を練り、リラックスしたひと時を過ごすことができるのがペタンクです。

2013年にはハイレベルなスポーツとして認知されましたが、依然としてペタンクはいかにも南仏が発祥らしく、のんびりと楽しめる競技です。マルセイユの市長、ジャン=クロード・ゴーダンも「ペタンクは単なる娯楽でも、スポーツでもありません」と語ります。ペタンクは競技、遊び、リラクゼーションなどが合わさった、豊かな暮らしに欠かすことのできないアール・ド・ヴィーヴルであり、マルセイユの人々はこのプロヴァンスならではの伝統競技に深い愛着を覚えています。

日常生活に深く入り込んだ競技
© GettyImages - David De Lossy

最新情報

ルーツの味を探る 〜 完璧なプロヴァンススタイルのアペリティフ

ルーツの味を探る 〜 完璧なプロヴァンススタイルのアペリティフ

プロヴァンスの香りいっぱいのアペリティフを楽しみながら、夏の長い夜を過ごすことほどステキなことはありません。ロクシタンからプロヴァンスならではのアペリティフをご紹介します。手で簡単にいただけるおつまみを、親しい友人や家族と一緒にどうぞ。
プロヴァンスでもっとも素敵なルーフトップ

プロヴァンスでもっとも素敵なルーフトップ

夏を満喫するのに理想的なのがルーフトップ。屋上テラスは1日のうち、いつ訪れてもくつろぐことができます。ロクシタンがプロヴァンスでおすすめのスポットをセレクト。これで元気に夏休み明けを迎えることができるはず。
8月のフォト

8月のフォト

18時38分、マントンにて撮影