クリスマスにいただく13種類のデザート

プロヴァンスではクリスマスにデザートを13種類食べる習慣があります。13種類を構成するデザートは、アンブランからマルセイユ、そしてニース まで、町ごとに、時には家庭ごとにさまざまなバリエーションがあります。
Par Sarah Carrière-Chardon

「ビューニュを食べるのは、聖母お清めの祝日よ。クリスマスじゃないわ」。そう言われて、私はサン・ヴィクトールのパン屋さんからすごすごと出て きました。確かに私の幼少時のクリスマスの思い出はオレンジの花の香りがつけられたパン菓子ビューニュと結び付いているのですが、なるほど、13種類のデ ザートは人によって異なるようです。

その起源は、地中海沿岸地域の豊かな伝統文化がキリスト教と結び付いて生まれたと言われ、プレゼントで家が溢れかえる風習よりずっと前から、クリス マスのお祭り的な側面を担っていました。プロヴァンスでは、深夜ミサから帰って来ると、三位一体を象徴する白いテーブルクロスが三重にかけられ、13種類 のデザートが並べられたテーブルを囲みます。最後の晩餐でキリストと使徒合わせて13人いたことから、13人でテーブルに着くのは忌み嫌われてきました が、デザートは13種類あっても構わないのです!

このプロヴァンス独特の風習ですが、地域に関わらず必ず食べるいくつかのデザートを中心に、残りのデザートは地域によって1000種類ものバリエーション があります。まずラ・ポンプ・ア・リュイルあるいはポンポと呼ばれる菓子。砂糖をふりかけると名称がジバシエに変わり、キリストがパンを分けたように簡単 にちぎって分け られるパン菓子です。「リ・パシショワ」または「レ・キャトル・マンディアン(4人の物乞い)」と呼ばれるデザートは4種類のドライフルーツで、4つの修 道会を象徴しています。ヘーゼルナッツは聖アウグスティノ修道会、イチジクはフランシスコ修道会、ブドウはドミニコ修道会そしてアーモンドはカルメル会。 「ル・ヌガー・デ・カプサン」はクルミを詰めたイチジクのこと。そしてナツメヤシも13種類のデザートのひとつです。幼子イエスがエジプト逃避中にナツメ ヤシを見て発した「おお」という言葉が「o」という形になって種に刻まれているということです。キリストではなく聖母マリアというバージョンの言い伝えもあります。

宗教的な意味合いを持つ菓子に続いて、次は一年で一番長い夜の冬至を象徴する白と黒のヌガー。さらに生のフルーツが加わります。 先祖伝来の貴重なオレンジ、マンダリン、コルシカ産のクレマンティーヌ、アルプ地方産のリンゴとナシ、わらに包んで保存しておいたヴェルドー産のメロン (グリーンのメロン)。さらに、地域ごとの郷土菓子も加えられます。アプト村ではフルーツ・コンフィ、エックス・アン・プロヴァンスではカリソン、マルセ イユではナヴェットやクロカン、ニースならマジパン、オート・プロヴァンス地方のアルプス地域ではビューニュ、といった具合。昔と違って、今は13種類の デザートを食べるのに必ずしも深夜12時になるのを待つことはありません。

多くのクリエイターがクリスマスケーキ作りに 挑 戦をしており、その中の一人ファッションデザイナーのクリスチャン・ラクロワは高級食品店ルノートルとコラボして昨年は宝石箱をイメージしたビュッシュ・ ド・ノエルを作りました。今年はレストラン「アン・ディマンシュ・ア・パリ」のパテシエ、カンタン・バイーが、やはりプロヴァンスの伝統菓子である「クー ロンヌ・デ・ロワ」を彷彿させる王冠型のクリスマスケーキを提案しています。

サン・ヴィクトール地区で13種類のデザー トを買うなら、パン屋のフール・ド・ナヴェットや菓子店パティッスリー・サン・ヴィクトールか、青果店ラ・クレ・デ・シャンに行けば全部揃えることができ るはず、ビューニュ以外なら!ネットショッピングが好きな人なら、有名店のシェフが使うのと同じ食材を普通の人が購入できるようにと、1922年創業の高 級食材およびドライフルーツの専門店のコンパニー・アリマンテールがエスプリ・グルマンと称するサイトをオープンしたので利用してみては。マルシェの露店 がお好きなら、12月19日から24日までエックス・アン・プロヴァンスで「13種類のデザートのマルシェ」が開催されますので、お見逃しなく!

アドレス
13種類のデザート
13種類のデザート
プロヴァンスのクリスマス
Photographie Laure Mélone

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